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ぼくの守る星

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夏見翔(かける)、中学二年生。僕はクラスで一番勉強ができない。字の読み書きという、あたりまえのことに苦労しているから。だけど僕には、いつも一生懸命な母とどこか暢気な父がいて、大切なものを分かち合える友だちがいる。だからきっと、大丈夫。
人生のはじまりの時間を生きる少年少女たちと、人生のとまどいの時間を生きる大人たちを主人公に、
それぞれの思いが交差した先に生まれる小さな光を描き出す連作短編集。生きることが愛おしくなる、成長と再生の物語。


神田茜さんの本です。
 
新聞広告でオススメされていて気になっていた本。
ようやく読む事ができました。
 
うん、凄く自分好みの作品。文体といい、物語といい。
 
最近仕事でかなり腐っていたので、こういう小説を読むと心が洗われますね。
 
無知な私は、この主人公の障がいを全くしりませんでした。
普通の子と変わらない見た目、しかもそこそこ整った顔立ちということと、勉強はできなくても走るのが早いということで、周囲からは面白い事を言う子、という割と微笑ましい感じで受け入れられている翔。
 
自分自身は面白い事を言いたくて言っているつもりではないのに同級生から漫才をやろうと誘われたり、一所懸命授業を受けていても全く理解できなかったり。
 
またそんな子供を持つ母親、父親の気苦労と心配な気持ちも普通より倍以上。
特に母親の苦労は相当で・・・読んでいて苦しくなるほどでした。
 
それでも救われるのは、翔の真っすぐさでしょうか。
 
まほりを守ろうと同級生に言い返すシーンは何だかとても格好良かったです。
 
しかしなー中学生なのに・・・だからこそ、なのかな。
あの結末にはちょっとびっくり。
 
けれど、これが大人になるということなのかな。
自分の意思で決めた事だから、きっと翔も頑張っていけるのではないかしら・・・と思う事にします。
 
久しぶりにとても良い本を読みました。
(4.5点)