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経済特区自由村

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「お金を使わずに生きるのがぼくたちの活動だ」外食産業と提携し、ブロイラー養鶏場を経営したものの、度重なる設備投資で借金まみれ。あげく追加投資を勧めた営業マンを突き飛ばし、鈴木明男は自家用軽トラックで逃亡した。たどり着いたのは人里離れた山奥の神山田村。そこで明男が目にしたものは自給自足、義務のない暮らし。そして金を使わない暮らしを提唱する男・民人の姿だった。


黒野伸一さんの本です。
 
万城目学さんの小説でお馴染みの石田さんのイラストが綺麗なので、表紙の雰囲気で勝手に「限界集落株式会社」のような話を想像しておりました。
 
そうそう。黒野さん、何気にこういう黒い感じの話も書くんでした。
すっかり騙されて(?)読んでいましたが、前半はぐいぐい引っ張ります。
凄い続きが気になる感じなのですよね。
 
誤って人を殺した男が辿り着いた村で、見ず知らずのおばあさんに拾われた男。
その村にはフリ―&エコロジーを掲げる集団がおり、その教祖とも言える男がその集団を総べている。
 
ひょんなことから知人の娘である高校生の女の子を連れ戻すべく集団の中に潜入する女格闘家。
 
そして外見や境遇から酷い扱いを受けてきたある男の一生。
 
一体この話がどう繋がるのか、ドキドキしながら読みました。
 
しかし前半から中盤までの勢いは、いささか後半で失速。
少し強引な終わり方だったりするのが残念。
 
それでもなかなか面白く読む事はできましたけどね。
(4点)