夢枕獏さんの本です。
名前だけは見聞きしたことがある作家さんでしたが、読むのは初めて。
ジャンル的にも私には読めるのかしらと恐る恐る読んでみました。
陰陽師とか憑き物を落とすとか、そっち系の話かと思わせて、人間の怨恨とか私欲の汚い部分も盛り込まれていたりして。ただグロいだけにとどまらず、短編なのに引き込まれてしまいました。
巨大な岩のような、醜男ではないけれどたまに見せる愛嬌が魅力的な乱蔵。
アイドルの話のラストの乱蔵がとても人間らしくてよいです。
辻村深月さんの作品でノベルスに慣れたせいか、二段構成が逆に読みやすい。
分厚いですが、なかなか面白く読めました。ただし、イラストは結構グロいです。
(4点)