寂れた商店街の片隅に佇む、「おもいでの時修理します」という不思議なプレートを飾った飯田時計店。店主の時計師・秀司と、彼の恋人で美容師の明里のもとを、傷ついた記憶を抱えた人たちが訪れる。あの日言えなかった言葉や、すれ違ってしまった思い―家族や恋人、大切な人との悲しい過去を修復できるとしたら?
谷瑞穂さんの本です。
前作がなかなか良かったので、続編が出てると知り図書館で予約。
時計店の店主の秀司を「秀ちゃん」と呼ぶ仲になった明里。なかなか素直になれない明里の気持ちは昔の自分を思い出すようですごくよくわかるせいか、ほほえましく読んでいました。
そんな明里の葛藤を知ってか知らずか(多分そういう部分を全てひっくるめてわかってくれているのだろうけど)、秀司の態度はいつもの通り変わらず、すべてを包んでくれる優しさを持っている素敵な彼氏です。
そんな秀司の時計店へ持ち込まれる時計とその持ち主の何か事情を抱えているだろう依頼人たち。
「おもいでの時」は本当に修理できるのか?
全4編、優しい気持ちになれました。
ときたまのぞく、秀司と明里の初々しいラブラブっぷりが読んでいてほほえましいです(笑)
それにしてもこの装丁の秀司、イケメンですよねえ。
(4点)