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おとぎのかけら 新釈西洋童話集(文庫版)

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「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」……誰もが知っている西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡ぎだした、耽美で鮮烈な現代のおとぎ話7編を収録した短編集。(解説/榎本正樹)


千早茜さんの本です。
 
単行本版で一度読んでいたものなのですが、もう一度読みたくて文庫化した時に購入しました。
なんでしょうね、千早さんの文章というのは・・・何とも甘美。静謐でエロティック。
とにかくひっそりと静かなんだけど、何処か甘やかなんですよね。
うーん、うまく言えないのが悔しいですが。
 
あとがきを読むと、千早さんはこの物語のモチーフになった童話などが嫌いな子供だったようです。
しかし、そのモチーフを千早さんなりに物語にしたものがこの短編集。
 
軸は誰もが知っているあの童話たちなのに、千早さんの手にかかると全く別の味わいになっているから不思議。
決して後味が良いとは言い難い話も結構ありますが、これがまた・・・じわじわと染みてくる。中毒性があります。
 
個人的に、「金の指輪」「凍りついた眼」「白梅虫」が好きです。
 
千早さん、要注目の作家さんなのでぜひ読んでほしいです!
(4.5点)