千早茜さんの本です。
単行本版で一度読んでいたものなのですが、もう一度読みたくて文庫化した時に購入しました。
なんでしょうね、千早さんの文章というのは・・・何とも甘美。静謐でエロティック。
とにかくひっそりと静かなんだけど、何処か甘やかなんですよね。
うーん、うまく言えないのが悔しいですが。
あとがきを読むと、千早さんはこの物語のモチーフになった童話などが嫌いな子供だったようです。
しかし、そのモチーフを千早さんなりに物語にしたものがこの短編集。
軸は誰もが知っているあの童話たちなのに、千早さんの手にかかると全く別の味わいになっているから不思議。
決して後味が良いとは言い難い話も結構ありますが、これがまた・・・じわじわと染みてくる。中毒性があります。
個人的に、「金の指輪」「凍りついた眼」「白梅虫」が好きです。
千早さん、要注目の作家さんなのでぜひ読んでほしいです!
(4.5点)