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網走発遥かなり

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東京郊外の高級住宅が並ぶ丘の上を毎日観察する老人の狙いは何か?また都心のデパートや地下街に出没するピエロの正体は?そして江戸川乱歩の古い写真を持つ老女の素顔とは?現代の東京に表出した奇妙な出来事はやがて40年前の雪の北海道で起きた惨事のナゾ解きに結集する。


島田荘司さんの本です。

 
島田氏初(この時点で?でも、今まで読んできた中でなかったかも)の、連作短編集。
 
網走といえば刑務所のイメージがとても強いので、受刑者の男性の苦悩などを描いた話なのかと勝手に想像していたら、全く違った話でびっくりしました。
 
特に一番最初の、不審な隣人の話が、どんどん膨らんでいって誘拐未遂事件にまで展開するのには驚きました。
 
ラストは何とも物悲しく、しかしその哀愁さえも美しく感じられる話でした。
(4点)