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ガソリン生活

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実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族(ただし一番大人なのは弟)。兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。強面の芸能記者。不倫の噂。脅迫と、いじめの影―?大小の謎に、仲良し望月ファミリーは巻き込まれて、さあ大変。凸凹コンビの望月兄弟が巻き込まれたのは元女優とパパラッチの追走事故でした―。


伊坂幸太郎さんの本です。
 
タイトルから、ずっとエッセイ本だと思ってあまり期待していなかったんですが(エッセイ苦手)、いやいや、
大変面白かったです。
車が語り手になる話、というのは今までありそうでなかったのではないでしょうか。
 
そんな斬新さももちろんですが、伊坂ワールド全開。
ちりばめられた伏線の回収。
ものの見事に問題が解決するラストと、ほほえましいエピローグ、素晴らしかったです。
 
望月家の家族の面々がどの人物も愛らしく、ほほえましい。
それを見守る緑デミ(語り手)がまた愛嬌があり、読んでいて楽しかったです。
 
自分も引っ越しを機に、10年以上乗り続けていた車を売却したわけですが、もしかしたらこんな風に売却される恐怖を持っていたり、車の持ち主を愛してくれていたのかな?
そんなことを考えたら、なんだか申し訳なくなりました。
 
車を持っている人が読んだら、もっと愛車を大事にしようと思うかもしれませんね(笑)
(4.5点)