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よだかの片想い

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左の目から頬にかけてアザがある理系女子大生の前田アイコ。幼い頃から、からかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから、状況は一変。本が映画化されることになり、監督の飛坂逢太と対談企画で出会う。話をするうちに彼の人柄に惹かれ、作品にも感動するアイコ。飛坂への片想いを自覚してから、不器用に距離を縮めてゆくが、相手は仕事が第一で、女性にも不自由しないタイプ。アイコは飛坂への思いを募らせながら、自分のコンプレックスとも正面から向き合うことになる…。


島本理生さんの本です。
 
島本さん、良いなあ。しみじみ良いなあと思いました。
原点に返った感じ。
とても瑞々しい物語でした。
 
片想いなのに手に入れる事ができたの?と疑問に思いながら読んでいると、なるほど・・・これは片想いなんだなあと思うと、苦しくなりました。
 
恋愛って何でだろう。
手に入れるまではあんなに些細な事で楽しめるのに、手に入れたらどんどん欲深くなっていく。
もっともっと相手に好きになってもらいたいし、自分を受け入れて欲しい。
些細な事でやきもきして、何だろう。久々に恋愛を始める時のドキドキ感を思い出しました。
 
決してハッピーエンドではないけれど、何処か爽やかさが残る。
個人的にETはかなり良い奴だと思います!
アイコの強く、真っすぐな所が何だか眩しく思えて、読んでいて何だか元気になりました。
 
やっぱり島本さんの作品、好きです。
(4.5点)
 
※6/30読了