No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

日傘のお兄さん(再読)

イメージ 1
 
今でも鮮やかに蘇る、あの竹やぶの家。幼い私は、縁側で待っているお兄さんと遊ぶときが一番幸福だった。今、そのお兄さんが目の前に立っている。犯罪者として…。からっとしてるけどせつない、明るくて可愛いけど哀しい。女の子の圧倒的支持を受けた『青空チェリー』に続く、豊島ミホの第二短編集。


豊島ミホさんの本です。
 
実はこの作品の文庫が出た時に購入し、文庫版も持っております。
文庫版との違い、最後の「猫のように」が未収録である、ということです。
 
豊島さんの作品の中で、多分私が読んできた中では40代の男性が主人公という作品は、なかったように思います。
 
意外に思えるけれど、意外とこれが良いのですよね。
とても短い話なのだけど、本を手放す前にもう一度読んでおきたくて手にとりました。
 
「バイバイラジオスター」は読む度好きになるなあ。
「すこやかなのぞみ」も、R-18文学賞受賞者である豊島さんらしい作品であり、表題作の「日傘のお兄さん」はよく考えるとかなり不健全な関係ではないか、と思えるものの、何だか楽しめちゃうんですよね。
 
(4点)