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思い出のとき修理します

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思い出って、修理できるものなの──?
仕事と恋に疲れ、子供の頃に少しだけ過ごした思い出の町に引っ越した明里。さびれた商店街の片隅、ショーウインドウに奇妙なプレートを飾った時計屋さんと出会い、新生活が始まるが…。(解説/中村 航)


谷瑞恵さんの本です。
 
書店で「ビブリア古書堂」「珈琲店タレーランの事件簿」と並んで話題になっていたので、きっとこれも時計点のイケメンが事件を解決しちゃう話なんでしょう?と思いつつ、イラストの男の子が自分好みということもあり(笑)ずっと気になっていた作品でした。
 
山ガール友が購入したのでと貸してくれることになり、早速読んでみると・・・・
あれ?!
ミステリじゃない!?
という事にまず驚きました。
それどころか、非常にこう・・・自分好みの心がふわりと軽くなるような、優しいお話。
 
確かにちょっとしたミステリ要素もあるけれども、どちらかというと過去に傷を抱えた人達が少しずつその傷を癒して前向きになっていく姿がとても優しく書かれていて、その中で「時計」というモチーフがなんとも柔らかく染みます。
 
それと、主人公の明里と時計屋さんの二人が何かとても微笑ましく、人物像が私好みだったのも大きいかも。
 
文章もとても優しい雰囲気。読みやすいので、ビブリアもタレーランも楽しめなかった、という人がいたら一番これをオススメします。
(4.5点)