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珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を

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京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり―。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。


岡崎琢磨さんの本です。
 
このミステリーがすごい!」の隠し玉だそうです。
 
新聞の広告欄にいつもこの小説が載っていて、しかも部数も凄くて売れていると話題になっていたのでずっと気になっていた作品でした。
 
となると当然期待値も勝手に高まるのですが・・・・正直なところ、私には合わなかったです。
 
1986年生まれの年下さん。
まあ私の年齢にもなると年下なんて珍しくもないけど・・・
 
どうしても、この表紙・「事件簿」なんてタイトルがついてくると、連想させるのは「ビブリア古書堂」。
「ビブリア~」は栞子に個性と魅力がある話なのと、文章が読みやすいので思っていたより面白かったという印象だったのですが・・・・
 
第一章から第四章までの日常ミステリが、「?」と納得できないうちに終わってしまって、しかも勝手に答えが出てしまうというか、考える隙もないくらい短編過ぎて十分に話が伝わってこない感じなんですね。
 
中盤でそろそろ面白くなくなってきたかも・・・と諦めようと思ってしまうほどでしたが、バリスタの美星の過去の事件が明かされるにつれ、突然の急展開。このあたりから最後のどんでん返しはなかなか面白かったので最後まで読み切りました。
 
何が悪かったのか、と問われると・・・
主人公のアオヤマに魅力がないということでしょうか。
「んぐぁ」が連発してかなりイラッとしたのは私だけではないでしょう・・・。
 
それと、京都を舞台にした作品だというのに、全く京都の良さが伝わってこないこと。
万城目学さんの「鴨川ホルモー」や森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」や瀧羽麻子さんの「左京区七夕通東入ル」などなど、京都を舞台にした魅力的な作品が多々あるなかで、京都という設定にした意味が全く感じられないほど魅力が伝わってこないのです。
 
それと、バリスタが美人という設定ではないけれど可愛らしい子であることは良いんですが・・・どうしても地味な印象をぬぐえなかったこと。
主人公がバリスタに恋愛感情を抱くようになる過程が全然見えてこなくてラストが唐突な気がすること。
文章にかなり癖があって読みにくい事・・・などなど、ついつい酷評してしまいましたが、私には合わない部分が多かったようです。
 
謎解きはディナーのあとで」然り、売れているからといって面白いと思えるという保証なんてないのですよね。
ユーザーレビューで自分と同意見の人が多いようでちょっとほっとしました。
(3.5点)