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おおかみこどもの雨と雪

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大学生の花は、人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”に恋をした。ふたりは愛しあい、新しい命を授かる。“雪”と“雨”と名付けられた姉弟にはある秘密があった。人間とおおかみの両方の顔を持つ“おおかみこども”として生を受けたのだ。都会の片隅でひっそりと暮らす4人だが、突然“おおかみおとこ”が死んでしまう。残された花は姉弟を連れて田舎町に移り住むことを決意するー。映画原作にして細田守監督初の小説登場。

細田守さんの本です。
 
映画は見たいなあと思っていたのですが、何となく見る機会がないまま終わってしまったので、まだ見ていません。
 
TVの紹介や予告を見る限りでは「楽しそう」に生活しているなあ、幸せな物語なのだろうなあと勝手なイメージを持っていましたが、予想以上に切ないラストに驚きました。
 
映画監督の細田さんなので、文章は上手くはありません。
でも、読みづらくはないのです。
 
ページ数も文章も少なめなのでさらっと読めるのですが、おおかみ男の子供に、人間かおおかみとして生きる道を選ぶことができるよう、田舎へ引っ越してきます。
 
おおかみ男がどうやって免許を取ったのか、戸籍はどうなってるんだろう?そもそも花と結婚し、子供の出生届はちゃんと出されてるのだろうか?と疑問点は多々あるのですが、出会いから別れまでオオカミ男は序盤しか出て来ませんので、メインは母である花とおおかみ子供の雨と雪の話です。
 
何故か免許まで取れて働いていたおおかみ男の残したわずかな貯金を切り崩しながら、幼い子供達を育てていく花。
その時点でお金が十分にあるとは思えないのに、田舎へ越すまでに5年の歳月が過ぎ、転居先の田舎でもまだ貯金を切り崩して生活ができている事に疑問を感じずにはいられないのですが(笑)、まあそこは御愛嬌。
 
なるべく人目につかない生活を、と選択した田舎暮らし。
近所の人の助けもあり、なんとか自給自足の生活をしながら働いて細々とした収入を得る事もでき、子供達を学校に通わせることもできるようになっていく。
 
しかし子供二人が決定的に違う生き方を選び、花から離れていく(自立ともいうのか)事になるとは・・・
 
親としての愛情とは一体何なのか?
大切に大切に傍で育てていく事か、それとも自立を促し見守って行く事か。
 
そしてそれが、おおかみとして生きるか人間として生きるかという事も選択肢に追加せねばいけない花の親としての苦悩が案外リアルに描かれていて驚きます。
 
映画もぜひ観てみたいです。
(4点)