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海を見に行こう

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同棲していた彼氏とケンカして、家出した茜。民宿を経営する叔父夫婦のもとに転がり込むが、そこはラブホテルに替わっていて…(「海風」)。結婚して10年。ずっとうまくいっていた妻との間に、大きな悩みを抱えてしまった航。久しぶりに戻った故郷で、昔傷つけてしまった女性と再会し―(表題作)。海辺の街を舞台に、人生に迷い立ち止まる6人の男女の再生を描く、ほろ苦くも心温まる小説集。


飛鳥井千砂さんの最新刊。
 
いきなり文庫ということと、表紙がいくえみ綾さんのイラストだったので悩んだ末に購入してしまいました。
 
連作短編、と言いつつもリンクは気付かないほど微妙なもの。
そういえばあそこにあの人と思われる人が出て来ていたかも・・・と思う、ひっそりとした楽しみもあったり。
 
飛鳥井さんは何でもない日常を描くのが本当に上手い。
読む度にどんどん上手くなっていっている気がします。
 
特に表題作の「海を見に行こう」はめちゃくちゃじんとしてしまいました。
 
私は海のある県に住んでいますが、海のある方とはかなり離れているので本当に「海を見に行こう!」とでも思わない限り海を見る機会はほぼありません。
でも、仕事のことや恋愛のこと、悩んでいる時に海を見に行くと・・・
何でしょうね、水平線をただぼんやりと見ているだけで、悩み事がちっぽけに思えてくるんですよね。
波音、潮風、何処までも続く水平線。
 
海はやっぱり良いなあと実感する一冊。
 
最近は地震津波などで恐いイメージもありますが、それでもやっぱり海は良いな。
 
そういえばこの本を検索しようとすると、スピッツの歌にこのタイトルのものがあるのかスピッツがヒットしてしまいました。
曲は聞いた事がないのですが、BGMはスピッツでこの本を読むのも雰囲気があって良いかも。
(4.5点)