彼女の名前は、上から読んでも下から読んでも、山田真野。吉祥寺の喫茶店に勤める細身で美人の彼女に会いたくて、僕はその店に通い詰めていた。とあるきっかけで仲良くなることに成功したものの、彼女には何か背景がありそうだ…。愛の永続性を祈る心情の瑞々しさが胸を打つ表題作など、せつない五つの恋愛模様を収録。
中田永一さんの本です。
図書館に行く暇がなくて手元の本が切れたところ。
本でも久しぶりに買おうかなあと思っていたら、中田永一さんの文庫化が出ているではないですか。
という訳で、即購入。
久しぶりに新刊での購入です。
結論から言います!
やはり満点です!
何だろう。ほわっとした温かさに包まれる物語を描かれる作家さんは沢山いるのですけど、そのほわっと感のほかに、ニヤリと思わず笑ってしまう面白さや、きゅーんと胸が締め付けられるような切なさと同時に、あっと驚く展開が混在している。
こんな作品を書けるのは、中田さんしかいないんじゃないでしょうか。
改めて読んで見て、「三角形はこわさないでおく」と「吉祥寺の朝日奈くん」が素晴らしい。
「うるさいおなか」には身に覚えがあり過ぎて(私もハラナリスト!)笑ってしまうし、「交換日記はじめました!」はあっと驚いてしまう。「ラクガキをめぐる冒険」にはワクワク感。
読み終え後、ほうっと素敵な(?)ため息が出てしまう。
平仮名を多様した○一さんのような(笑)文章も、柔らかくてとても読みやすい。
大満足!
購入して損はありません。絶対読むべき作品です。
(5点)
単行本版の感想 大絶賛です(笑)