七尾究一郎は、厚生労働省医薬食品局の麻薬対策課に所属する麻薬取締官。警察とは違いおとり捜査を許された存在で、さらに“特異体質”のおかげもあり検挙率はナンバーワン。都内繁華街で人気の非合法ドラッグ“ヒート”―破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、人間兵器を作り出す悪魔のクスリ―の捜査をしている。暴力団組員の山崎からヒートの売人・仙道を確保するため手を組まないかと持ちかけられ、行動を共にして一週間。その仙道が殺される。死体の傍に転がっていた鉄パイプからは、七尾の指紋が検出された…。殺人容疑をかけられた麻取のエース・七尾。誰が、なぜ嵌めたのか!?冤罪は晴らせるか!?―。
中山七里さんの本です。
面白かったです!
もう、なんて言うか中山さん凄いとしか言いようがないです。
ポスト誉田哲也になりえる存在だと。
ジャンルに囚われず、色々な作風のものを書いてくる。
それがまた予想していない所から来るもんだから思わず歓声を上げてしまうような。
麻薬取締官、というのでピンときて、確か中山さんの何かの作品の続編だなこれは、と早い段階で気付いたのですが、何の作品だったっけ・・・となかなか思い出せず。
「魔女は甦る」の続編でございました。
魔女は甦るが結構グロかったので(嫌いではないけど)、どちらかといえば続編の方が読みやすく感じたかな。
ヤクザなのにヤクザらしからぬ見た目の山崎とのコンビが思いのほかしっくりきて、コンビ解消が残念でならなかったです。まあお互い立場上仕方がないのかもしれないけど。
展開がスリリング且つスピーディーなので、中山さんの持ち味であるどんでん返しを全く覚悟せず読んでいたら、あっさりと騙されてしまってショックでした(笑)
そういった諸々を含めて面白かったですし、楽しめました。
生きていたあの人も今後どう絡んでくるのか?
続編はあるのでしょうか?気になるところです。
また、山崎が弁護士の御子柴とも繋がりがあるという部分には思わず嬉しくなりました。
(4.5点)
余談
すぐに反応してもう一度見返そうとしたものの、時すでに遅し。
一回きりしか見る事ができなかったので気のせいだったのか?!と思っていた所、Wikiにこのような記載が。
やはり見間違いではなかったのですね!
あと中山さん、個人的に女性作家と思っていましたが男性作家だったとは・・・!
ともあれ最近かなり注目している好きな作家さんの一人です。