物に触れると所有者の記憶を読み取ることができる「サイコメトリー」能力を持った、女子高生の桐生紫。その力を生かして、周囲で起こった四つの怪事件の捜査を手助けすることに。殺人、失踪、家族の秘密…「物」だけが真実を知っている!傑作ミステリー。
今邑彩さんの本です。
やはり今邑さん、上手いな。
いつの間にか物語の世界に惹きこまれているこの感じ。良いなあ。好きだなあ。
サイコメトラーというと、私が中学の頃に放送していたドラマ「サイコメトラーEIJI」の印象がめちゃくちゃ強いです(笑)
今の子は知らないんだろうなあー。
サイコメトリー能力を持つ紫が主人公ではあるのだけど、話によっては脇役に徹している所もあったりして、一つ一つの短編としても楽しめます。
主人公が主張し過ぎないところも読みやすい。
同居人の桐生との微妙な関係も、本当に凄く微妙なニュアンスで書かれていてちょっとドキドキ。
結局何事もなかったのだけど。
「猫の恩返し」「鋏の記憶」が印象的でした。
面白かったです。
(4点)