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追想五断章

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大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。


米澤穂信さんの本です。
 
米澤さん、私の中で好き嫌いが作品によって分かれている作家の一人です。
しかも、自分好みの面白いと思う作品とまったく受け付けられないと思うもの、はっきりと二分されてしまうので、手に取る時にいつも躊躇してしまうんです。
 
ただ、この本は何かと話題になっていて、一度読んでみたいと思っていたので早速。
今回は文庫版です。
 
主人公の暗めの性格や考え方は全く気にならなかったのですが、女性の父親の小説が一作目に紹介されていたもの以外が抽象的というか、想像がしにくくて読みづらかったなあというところ以外は、まあ淡々と物語は進んで行きますが、それなりに読む事ができました。
 
大絶賛、というところまではいきませんけども・・・
個人的にはこの作風は好きなほう。
 
裏設定?の叔父さんと母親(親類関係)などの設定の重さが気になったところ。
むしろ主人公は実家に帰ってどうなるのだろう?と心配してしまいます。
 
娘に愛情を持っていないように思えた過去の手紙から、探り当てた真実では父親だからこその少し物悲しいような親の愛が見えて切なくなりました。
(4点)