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体育館の殺人

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放課後の旧体育館で、放送部部長が何者かに刺殺された。外は激しい雨が降り、現場の舞台袖は密室状態だった!?現場近くにいた唯一の人物、女子卓球部の部長のみに犯行は可能だと、警察は言うのだが…。死体発見現場にいあわせた卓球部員・柚乃は、嫌疑をかけられた部長のため、学内随一の天才・裏染天馬に真相の解明を頼んだ。なぜか校内で暮らしているという、アニメオタクの駄目人間に―。


青崎有吾さんの本です。
 
第22回鮎川哲也賞受賞作。
殺人事件発生、事件の真相を解く探偵登場、犯人あての推理を披露――
と久しぶりに推理小説を読んだ気がしますね。
 
やはり一筋縄でいかないどんでん返しがあるのですが、おおよそ怪しいと思っていた人物が主犯で、真犯人もやはり怪しいと思っていた人ではありました。
 
新人賞というと癖のある文章、読みにくさに苦労する事が多いですが、青崎さんの文章はとても読みやすかったです。
また、現場近くに残された一本の傘からどんどん推理が展開され、真犯人へと迫って行く過程も面白く、すらすら読む事ができました。
 
私は大抵推理小説で犯人をあてられないので、巻末で選考委員がいうような推理の粗は全く気にならず楽しんで読めました。
アニメオタクの探偵が、何故か学校(部室)に勝手に住んでいるという奇抜な設定も面白かったです。
 
まあ難をいうなら、登場人物がちょっと萌え系というか、台詞の端々に萌え萌えな感じが出ていたのがちょっと苦手でしたが・・・。
 
表紙の女の子がやたら巨乳なのも気になりますが(笑)、表紙のイメージからくるシリアスなイメージよりはもっととっつきやすい作品だったと思います。
1991年生まれ!の若い作家さんです。
今後にも期待しましょう。
(4点)