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名前探しの放課後㊦<文庫版・再読>

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坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」二人はXデーを回避できるのか。


辻村深月さんの本です。
 
うはー!やっぱりこの全ての謎が解ける瞬間が好きだなあ。
Xデーの回避のために、今まで自分がそれを回避しようと動く側だと思っていたのに、回避してもらう側であることに気付いた瞬間。
まさかあの人が、そういう繋がりが、実はそういうことだったのか・・・と発覚していく様は鮮やかで、とてつもなく胸に込み上げてくるものがある。
 
また、特に「凍りのくじら」と「僕のメジャースプーン」は大好きで何度も読んでいるので、理帆子と多恵さんと郁也が登場するのも嬉しいし、ぼくとふみちゃんと先生が登場していて、しかもぼくは物語にしっかり関与している事が明らかになる瞬間。
これはたまらない。何度読んでもテンションが上がってしまいますね。
 
確かに初めてこの作品を単体で読んだ人にとっては、「え?どういうこと?」ってなるかもしれません。
でも、ネタバレサイトで他作品との繋がりを知り、ではその本も読んでみよう、読んでみた、そうだったのか!と気付くのも一つの醍醐味ではないでしょうかね?
単体として読んでも面白いと思います。
 
4回目でやたら気になったのは、地の文と複数の登場人物の台詞の中に「きちんと」が多様されていること。
流石に同一人物でない複数の人物がここまで「きちんと」と言うのは不自然ではないかなあと。一度気になったら、あ!まただ!と気になり集中できず。
 
とは言え、やはり学園ミステリ良いなあとしみじみ思いました。
あすなのおじいちゃんは素敵だし、友情っていいなあと思いますね。
(4.5点)