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夏のバスプール

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夏休みまであと5日! 青春初恋物語
2012年、世界は12月で滅亡するとの噂だが、高校1年生の涼太は、仙台から来た同級生に恋をする。一風変わった彼女には複雑な事情が・・・?


畑野智美さんの本です。
 
タイトルと、表紙に惹かれて気になって予約していた本でした。
思っていた以上に自分好みの作品でした。
 
まず、主人公の涼ちゃんが好み。
飄々としているようで、実は繊細な所もある男子。
語りはかなり淡々としているのですが、ぐいぐい惹きこまれました。
こういう主人公、めちゃくちゃ好きなんだよなー(笑)
 
そしてトマトを投げつけてくる謎の彼女、久野ちゃん。
最初の変人のイメージが覆され、あの行動も好きな気持ちの裏返しなのか?と思うと凄く可愛く思えてくる。
 
友人の青野も憎めないです。
 
何でしょう。登場人物が、何処かひと癖もふた癖もある個性派揃いなのに、何故か嫌いになれない感じ。
また、物語としては東日本大震災の話が出てきたり、野球部の暴力事件や不登校、いじめ問題など最近の話題を盛り込みつつ、淡々としているようではっとさせられる部分もあって、好みでした。
 
関口尚さんとか、佐川光晴さんあたりが好きな方は、多分好きだと思います。
私も好きなので。
 
あとイメージとしては、樋口有介さんの文章をもっと読みやすくした感じ、と思っていただくと分かりやすいかな?(笑)
 
中途半端になっている富君の話のその後が気になりますが、結果的にとても自分好みで満足。
すばる新人賞を受賞した1作目も読んでみたいと思います。
 
バスがないところに住んでいるので馴染みがないですが、バスターミナルではなくてバスプールの方が響きが良い気がしますね。
(4.5点)