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スロウハイツの神様㊦(文庫版・再読)

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莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。
そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。

あーもうダメですね。涙腺緩みっぱなしでした。
 
環とコウちゃん、環と妹の桃花、すみれと正義、コウちゃんと黒木――人間と人間との繋がり、関係って凄いなあと思う。
言葉の端々でぐっとくる部分があり過ぎて、泣けて来て仕方なかったです。
 
「凍りのくじら」の理帆子が出てくるところ、そしてコウちゃんと恐らくドラえもんの話と思われる話で盛り上がるちょっとしたシーンも嬉しい。
 
すみれが恋愛におぼれて完全に自分を見失いそうになったとき、それでもその間違いを正そうと乗り込んで行く環が良い。逆に、環が潰れそうな時にすみれが駆け付ける話も凄く良いですよね。
 
そして辻村作品の下巻といえば、伏線の回収。
完全にコウちゃんに良いところを持って行かれた!という感じ。
これがまた、泣かせるんだよなあ。
 
今回で三度目でしたが、確実に今が一番この本を楽しいと思えていると思います。
何だろう?年を重ねる毎に、やっぱり感じ方が変わるものなのかな?
とても良い小説でした。
 
(5点)