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仙台ぐらし

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仙台市に暮らすベストセラー作家の伊坂幸太郎氏の、震災後初のエッセイ集。

地域誌『仙台学』の1号から10号まで(2005年から2010年)の連載エッセイ「仙台ぐらし」(全面改稿)と、単発エッセイ1編に、震災後のエッセイ「いずれまた」「震災のあと」「震災のこと」、そして宮城県沿岸を舞台に移動図書館(ブックモビール)で本を届けるボランティアを主人公とした書き下ろし短編「ブックモビール a bookmobile」を収録。


伊坂幸太郎さんの本です。
 
伊坂さんと言えば、仙台。
小説の中でも仙台を舞台にしたものが多く、「アヒルと鴨のコインロッカー」を観た後に、ロケ地巡りに仙台へ旅行に行った事のある私です(笑)
 
前回のエッセイ「3652」はいまいち楽しめなかったのですが(元々エッセイが苦手なんです)、本作はなかなか興味深く読無む事ができました。
 
特に、私の中でもお気に入りの「アヒルと鴨のコインロッカー」や「重力ピエロ」の映画など、伊坂さん自身もとても気に入って何度も作品を観ていると言う事が嬉しく、仙台暮らしをして感じる日常のあれこれなど、伊坂さん自身の話と絡めて面白おかしく描かれていて興味深いです。
 
また、仙台在住故に経験した東日本大震災の後、自身が何もできないことに非常に悩まれ、小説を書くということからしばらく遠ざかっていたことなどにも触れています。
 
伊坂さんは、だけど小説で人を元気にすることができているではないか、と素人の私には思うのですが、無力感にさい悩まされたようで、本当に心優しい方なのだなあと更に伊坂さんに好感を持ちました。
そして、そんな伊坂さんを支える妻が良い味を出しているんですよねー。
 
エッセイの他、かきおろしの「ブックモビール a bookmobile」という作品も収録されていて、嬉しいです。
読みやすいので、伊坂さんの作品が好きな人も、初めてと言う方も、ぜひ読んでみてください。
(4点)