No-music.No-life

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花嫁

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兄さんが今度、お嫁さんをもらう。
あたしは断固反対。唾棄すべきことだ。
兄と妹。夫と妻。親と子。
固く結ばれた絆の裏には、淫靡で怖い秘密がある。

20歳の大学生・若松麻紀は、眠れない時や寂しい時、兄さんのベッドに潜り込む。婚約者の話を聞いたのも、ベッドの中だった。若松家の長男・和俊が、婚約者を連れて来たことで、兄を愛する麻紀はパニックに陥った。腕利きの和菓子職人・父は、年に一度だけ、家族に内緒で出かけて行く。逢い引きの相手は、店のお手伝いをしている弓子さんだった。夫を支えて繁盛する店を切り盛りし、子供二人を育て上げた母は、和俊の結婚式の後、花嫁に向けて一通の手紙を書き出した。その中には、若松夫婦の思いもよらぬ過去、子供らの出生の秘密が書かれていて……。
仲良し四人家族の中に、ある日いきなり「花嫁」がやってきた。今までそれぞれがひた隠しにしてきた過去が掘り返されていく。情熱と契約で結ばれた家族の果て。


青山七恵さんの本です。
 
最近チェックしていなかったので、新刊が出ていた事に気付きませんでした。
 
いやーこれは好き嫌いが分かれるのではないでしょうか?
デビュー作の頃から何気に注目している作家さんの一人ですが、今までの作品を知っているだけに「え?!これが青山さん?!」と思ってしまうほど、方向転換した作品だったかと思います。
 
レビューは高いので、受け入れられているのかもしれませんが、私は・・・ダメでした。
今までの作品とはガラリと作風を変えた、という意欲的な作品という点では見事に成功していると思うのですが、この「訳あり」家族4人のどの人物にも好感を抱けなかったし、作品全体を通して何となく卑猥でどろどろした、艶めかしい嫌な感じがまとわりついて離れないような・・・・
 
最終章の母親の章で、その「違和感」の正体が明らかになるのですが、この家族の身勝手さというか・・・上手く言えないけど、凄く不快感があったという事だけは確かでした。
 
結局、何を伝えたかったんだろう?
それを理解できなかった時点で、私には向いていなかったようです。うーん。何となく後味の悪い作品でした。
(3.5点)