No-music.No-life

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消失グラデーション

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とある高校の男子バスケ部員椎名康は、屋上から落下した少女に出くわす。しかし、その少女は目の前から…消えた!?


長沢樹さんの本です。
 
第31回横溝正史ミステリ大賞受賞作ということで、本屋で話題になっているようだったので、かなり期待して読みました。
予約をして結構待った気がします。
 
という訳で、読み終えたのですが・・・
何だろう?
凄いもやもやしてるんですよ。
ここまで真相を明らかにされても、何だか違和感ばかりでどうもしっくりこない。
 
レビューを見ると、トリックが強引過ぎる、ご都合主義というような厳しい批判も多くみられますけど、決して駄作ではない、と思うのです。
時間はかかったけど、途中で読むのを辞めようとは思わなかったし、嫌いではない。
 
だけど、好きでもないという感じ。
何だろうな?
この性別トリック(?)は途中でもしかして、と思う部分があってからはすぐに気付いたのですが、それにしても、何だってこういう性癖の人ばかりがいるの?しかも先生を含めてどんだけいるの?!
 
唐突に聞いた事のないような難しい病気が出てきたりとか、ラストにかけてあまりにも色々なものを詰め込み過ぎて、読み手が一杯一杯になってしまう感じ。
 
何より一番痛かったのが、どの登場人物にも感情移入できないどころか、好きになれなかったことでしょうか?
特に主人公の「女癖」の悪さと、内に秘めたものが爆発した時に暴発する暴力衝動、掴みどころのない性格に得体の知れなさと嫌悪感を覚えて、最後まで好きになれなかったことですかね・・・。
 
唯一樋口だけは自然と受け止める事ができたけども・・・何だろうなあ。
色々なものが、とにかく詰め込まれ過ぎている感じ。
 
そして、登場人物が沢山出てくる割には個性がない気がして、誰が誰だか区別がつかなくなってしまった点に、私には難しい小説だったように思います。
 
学園ミステリ、大好きなはずなんですけどね・・・。
期待し過ぎたせいでしょうか?
 
(3.5点)