春川巧が主宰を務める小劇団『シアターフラッグ』。300万の負債を抱え解散の危機が迫る劇団に、地方都市の高校から学校公演の依頼が舞い込む。利益が見込めないことを理由に反対する鉄血宰相・春川司を尻目に、初めての公演依頼に舞い上がる『シアターフラッグ』のメンバー達。しかし、意気揚々と学校へ乗り込む彼らに思いも寄らぬトラブルが次々と降りかかり…!?有川浩が舞台『もう一つのシアター!』のために書き下ろした珠玉の脚本集。巻末には、大和田伸也、阿部丈二とのスペシャル対談も収録。
有川浩さんの本です。
「シアター！」は三部作らしいですが、二部の方向性に少々がっかりしてしまって、正直あまり楽しめているシリーズではないのです。
ということで、この本も読もうか迷っていたところでした。
何となく図書館で借りて読みましたが、うーん・・・やはりあまり満足できませんでした。
脚本と言いつつ、かなり作者の意向が入った()書きが多く、脚注で実際にはこうなった、という事も詳しく書かれてはいるのですが、章毎の一番最後に脚注が入っているので少々読みにくい。
どうしても司が堂上のキャラと同じにしか思えず、最早最近の有川さんの作品はキャラクターが固定化してきてしまっているように見受けられます。
また同じパターンか・・・と。
劇団が演じた「シアター！」は見てみたい気もするのですが、この脚本集を見たらまあ機会があったら・・・という風に変わってしまったのも残念。
本谷有希子さんの作品を読むといつか本谷さんの演劇を観に行きたい！と思うのですが・・・・
今回は初めての脚本ということもありますし、小説と脚本は全然違うんだなあと痛感。
可もなく不可もなく、という感じでした。
字が大きくてページ数が少ないので、すらすら読めるのは良かったです。
（3.5点）
