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文芸あねもね

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生きていれば、きっとある。恋が終わり、夢が破れ、自分が損なわれる瞬間が。でも、そこから立ち上がりまた歩き出す瞬間も、きっと―。3.11の後、「今、自分たちにできること」をしようとペンを執った10人の女性作家たち。そして2011年7月、その想いは全額寄付を目的としたチャリティ同人誌へと結実した。電子書籍から生まれた、再生への希望きらめく小説集、待望の文庫化。


豊島ミホさん目当てで読みたいと思っていた作品でした。
 
この作品を知ったのは、豊島さんのブログ。
震災復興支援として、R-18文学賞受賞者を中心にチャリティ同人誌という形で作品を寄稿したという事を知り、作家活動休業中の豊島さんの新作!と読んでみたいとずっと思っていたものでした。
 
電子書籍って全然馴染みがないし、本物の紙じゃないから抵抗があったりで結局購入していなくて、文庫化すると聞いた時はようやく作品を読める!と楽しみにしていました。
 
R-18文学賞と言えば、豊島さんが第一回の読者賞受賞者ですけども、以下の受賞者ははっきり言って知名度がかなり低いのではないかと思うのですよね・・・
実際、今回初めて読んだ作家さんばかりでした。
 
<今回参加している作家一覧>
彩瀬まる
蛭田亜紗子
三日月拓
南綾子
柚木麻子
 
豊島さんは勿論ですが、直木賞作家の山本文緒さん、1作だけ読んだ事のある柚木麻子さん以外は、多分初めて読んだと思われます。
その中で、群を抜いて良かったのが、彩瀬まるさんの「二十三センチの祝福」でした。
ほとんど未婚の妙齢女性が語り手の話が多い中で、離婚経験を持つ男性が主人公だった事も目立っていたかもしれません。
文章の読みやすさはどの作家さんもそうだったので比較しようがないのですが、一番印象に残って情景が浮かんでくるようだった作品だったと思います。
 
逆に、柚木さんの作品はコミカル過ぎてあまり自分好みではなかったかな。
山本さんの作品もあまり自分は得意ではないかも。
 
南綾子さんの「ほぼ実話だけど嘘も交じっている」体験談のような「ばばあのば」は斬新で面白かったです。三日月拓さんの「ボート」も不思議な余韻が残る話でしたし。
 
豊島さんは、一番ページ数が多くて個人的に嬉しかったのですが、若干くどいかなと感じる部分も。
それでも主人公が淡々と自分を見ている感じが今までの豊島作品にはない感じで、今後に期待を持ってしまう作品でした。
主人公と友達以上彼氏未満の幼馴染との関係の危うさみたいのが、読んでいてハラハラしたけど、美大生4人の個性豊かなキャラクターが良かったな。
豊島さん、いつか戻ってきてくれることを期待しています。
最近ちょこちょこブログが更新されていたりするので、豊島ブログファンとしては非常に嬉しいところです。
 
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