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もういちど生まれる

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どこへでも行ける。何にでもなれる。けれど自由というものは、ときに、
僕らをしばりつけてしまう。日常にひそむ輝きが詰まった青春小説の決定版!

自分の力だけで生きていると胸を張って言えるわけではない。じゃあ、子どもかというと無知に振舞える年齢はとうに過ぎている。いちばん自由で、いちばん窮屈。恋や、将来の不安や、もてあまし気味の孤独の中で揺れ動く大学生5人とその仲間たち。彼らが踏み出す“最初の一歩”とは?


朝井リョウさんの本です。
 
予約していたのになかなか手元に来なくて、ようやく読む事が出来ました。
 
あーなんか凄い眩しい。
若さが眩しい。キラキラしてて、各章の主人公達が悩んでいる事なんて、なんてことないじゃんかよー!とか思いながら、眩しくて見ていられないくらいでした。
 
大学生、予備校生、専門学校生、などアラウンド20歳(アラサ―とかアラフォーとかいうけど、20歳だとなんていうのかな?(笑))の男女が恋に将来に迷いながら、成長して行く物語が描かれます。
 
とにかく、上手い。
朝井さん、これから社会人デビューということですが、まだまだ若いはずなのに・・・何でこんなに上手いの?!
と思うくらい、読みやすいです。
 
若者の軽い言葉遣いや略語など、大層苦手な私ではあるのですが、朝井さんの描く会話のテンポの良さ、今時の若者の会話なんだけど、嫌味がなくて凄く読みやすいのね。
それでいて、男の子も女の子も、どちらの視点でも違和感がないんです。
 
私、こういう小説を書きたいんだよ!と思うくらい、大好きです。凄く良い。
島本理生さんを初めて読んだ時に覚えた衝撃くらいかもしれない。
男版、初期島本理生みたいな?
 
しいていうならば、この傾向で作品を続けていくと、マンネリ化してきてしまう可能性があるということでしょうか。
それでも、「チア男子」や本作の「「破りたかったもののすべて」のダンサーなど、特定のジャンルに絞っても違和感なく描きこまれているので、むしろ色々な可能性を秘めていて今後が楽しみ。
 
小説家一本、なんて決めないで、きちんと新社会人になる朝井さんは凄いなあと思います。
 
「ひーちゃんは線香花火」「もういちど生まれる」が特に良かったです。
いちいちタイトルのセンスが良くてもう、ずるい!
 
朝井さんのツイートも凄くセンスが良いんだよな。
すっかりファンになってしまった私です。
 
最新作「少女は卒業しない」も予約確保できたようなので、読むのが楽しみです。