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園芸少年

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部活は園芸部。それも素人男子3人だけの。
入学間もなく、思いがけず園芸部に入部した高1男子3人。凛と芽を伸ばす植物の成長と、思春期を迎えた不器用な少年たちの姿が重なり合う、春から秋の物語。


魚住直子さんの本です。
 
手持ちの本を読みつくしてしまったので、図書館で何か良い本はないかと探していたのですが、文芸書コーナーにはめぼしいものがほとんどなかったのであります。
久しぶりに児童書でも読むかなあと、かなり久々でしたが魚住さんの作品を手にしました。
 
字が大きい!ページ数少ない、読みやすそう、という単純な理由で借りたのですが、いやいやもう、凄く良かったです!
 
何事にも熱くならない程度に毎日を過ごしている普通の男子高校生の主人公と、眉毛もなくルーズな制服の着こなしをしている見た目が完全にヤンキーの大和田。顔をからかわれ心を閉ざし、段ボールを被って学校に通っている庄司。
ひょんなことから部員0だった園芸部に入部することになった彼らが、花の名前を覚え、園芸のノウハウを身につけ、そして心まで成長していく姿が鮮やかに描かれます。
 
何より、「普通」「不良」「変わり者」という3人の個性豊かなキャラクターが際立ち、男子高校生の爽やかな学園小説という一面だけではなく、成長の物語にもなっているところが素晴らしい。
とにかく読んでみて欲しいほど、温かい気持ちになり、私にもこんな眩しい10代の頃があったのか・・・としみじみ思ってしまいました。
 
児童向け小説と侮る事なかれ。
実はこんなに素敵な作品もあるのです。