No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

一瞬の風になれ 第一部 ―イチニツイテ―(再読)

イメージ 1
 
「速くなる」
ただそれだけを目指して走る。
白い広い何もない、虚空に向かって…………。
春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に2人を変え、そして、部を変える。「おまえらがマジで競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説、誕生。


佐藤多佳子さんの本です。
 
図書館が年末年始休みに入っていたため、手持ちの本が尽きてしまい、久しぶりに読んでみようとてにした本です。
三ヶ月連続刊行の作品として当時新刊で購入した単行本。
 
やっぱり面白い!
物凄く低いレビューを書いている方は、主人公の砕けた喋り方が嫌だ、みたいな意見もあったのですが、逆に私は・・・佐藤さんのこういう文体(特に佐藤さんは、男子高校生を主人公に据えると最高の作品になる)は大好きなんです。
 
「黄色い目の魚」が大好きな私にとっては、願ったりかなったりの主人公。
特にこの主人公の新二は、緊張感で腹を下してしまうという人で、個人的に共感を覚えます。
 
また、天才の兄と親友に囲まれ、特に天才スプリンターの連は、ろくに努力も練習もしないのに、自分より軽々と上を行く様を魅せつけられ、悔しい!もっと早くなりたい!とどんどん上へ上へと向かおうとする気概が、凄く好感を抱くんですよね。
 
大体こんな天才が周囲に集まっていたら、「どうせ俺なんか」ってひねくれたりしてもおかしくないのに。
 
凄く久々に読んだので、細かい部分は忘れているところもあって、再読ですが楽しめました。
新二の恋の行方も気になります(笑)