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プリズム

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小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…


貫井徳郎さんの本です。
 
有名な作家さんだったのでずっと読む機会がなかったのですが、デビュー作『慟哭』で初めて貫井さんの作品を読み、 すっかり虜になってしまった私。
それから何冊か読むようになったのですが、今まで読んできた作品、ほとんど外れがないですね。
 
とにかく文章の巧みさに感心します。
気付けば作品の世界感に引きこまれているんです。
 
本作も、とにかく第一章から惹きこまれていました。
性別も年齢も立ち場も違う4人の人物が、ある女性の死の真相を推論していきます。
 
結果、「で、結局誰が犯人だったの?」という結末なのですが、幾通りもの推論、可能性が考えられるので、敢えて答えのない結末というのも読みごたえがあるのかも。
まあ、私は結果を求めてしまう人なのでちょっと物足りなくもあるのですが(笑)
 
昨日読んだ作品がとにかく読むのに時間がかかったせいもあるのですが、貫井さんの安定した筆力を見ると凄く安心感がありました。
 
面白かったです!