No-music.No-life

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我が異邦

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地下鉄に毒ガスが撤かれた1995年3月、わたしはアメリカへ発った。明るく巨大なアメリカで、私は孤独を満喫した。一生このままでいられるなら、どんなに幸福だろうとさえ思った。ただ、孤独であることの僥倖とは別に、そこには「女」が絶対的に欠けていた―。孤独を愛する男を描く表題作の他、「ふける」「日本私昔話よりじいさんと神託」を収録。


藤谷治さんの本です。
 
藤谷さん、「船に乗れ!」以来かもしれません。
相変わらず読みにくくて空白や改行がほとんどない、文字びっしりな感じで、薄い本なのに少し読むのに手こずりました。
 
いやでも、表題作の「我が異邦」は結構好きだったな。
藤谷さんの作品って、個人的に当たり外れがある気がするんです。
面白いやつは「船に乗れ!」みたいに後で絶対読み返したいって思うようなものもあるのに、最後まで読み切る事ができないと思うくらいつまらないと思う作品もあったり。
 
本作は3つの作品が収録されていますが、表題作以外はちょっとよく分からない話だったなあと思います。
 
何が言いたかったのだろう?と思ってしまうような。
 
ただ、表題作は特に劇的な何かが起こる訳ではないけれども、あとに残る余韻は結構心地よくて、こういう雰囲気、嫌いじゃないなあって思えたので、悪くはなかったのですが・・・。
今回はちょっと私には合わなかったかも。