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夏のくじら

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大学進学で高知にやって来た篤史はよさこい祭りに誘われる。初恋の人を探すという淡い望みを抱いて参加するも、個性的なチームの面々や踊りの練習、衣装も楽曲も自分達で作るやり方に戸惑うばかり。だが次第に熱中するうち、本番が近づく。憧れの彼女は果たしてどこに?祭りの高揚を爽やかに描く青春小説。


大崎梢さんの本です。
 
大崎さん、何作か読んだけれども、読む度に今一つピンとこないものが多くて、もしかしたら私には向いていないのかも・・・と思いながら、手軽に読める文庫がないかと探していた所、手にした本作でした。
 
いやあ、これ凄い良かったです。
今まで読んできた大崎さんの作品は一体何だったのか?と思うくらい、するする読めて。
とにかく読みやすかったこと、大学生の初恋の人を探すという淡い期待感と、何処かくさくさしていた日々を変えてくれる再度のよさこい祭りでの踊り。
従兄弟との近いようで何も気付かなかった関係、今まで悩んできた事が馬鹿らしくなるくらい、今はただひたすらによさこいの踊りに没頭する。
 
青春+夏+初恋とは、何とバランスが良くて甘酸っぱくて素晴らしい題材なのでしょう。
 
何となく日々にやる気や意味を見いだせなかったはずの主人公の篤史が、少しずつ変わっていく成長する姿も描かれ、そして初恋の人とは一体誰なのか?という少しミステリな謎も織り交ぜて二重三重と楽しめます。
 
高知のよさこい祭り、全く知らなかった訳ですが・・・この小説を読んだら凄く見てみたくなりました。
 
スカイエマさんのイラストと、大崎さんの文章との相性も抜群。
お薦めです。