櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。
貴志佑介さんの本です。
前回初めて読んだ「悪の教典」に比べると、後味の悪さはほとんどなかったのですが・・・
ただ、それでもあんなに続きが気になってしまう感じは、この作品にはなかったかなあ。
二宮とあややが出演した映画、の印象だったので最初からあまり期待はしていなかったのです。
話題性があった作品だなーという程度で。
(映画は演技派の二宮共々、作品としてはなかなか絶賛されているようなので、機会があったら観てみたいかな）
家族を守るために殺人に手を染めることになってしまった、高校生の秀一。
頭脳を駆使し、丹念に作り上げた殺人計画が成功したかに思えたが・・・・
完璧と思えた殺人が少しずつ警察の手によって暴かれ、追いつめられていくのですが、家族を守るためとは言え、もっと別の形で解決することはできなかったのだろうか？と疑問に思えてきたり。
どうも登場人物の誰にも共感できなかったのと・・・うーん、自分にはちょっと合わない感じだったのでしょうかね？
ただ、誰からも好かれる「無敵」の大門が、秀一を庇おうとへたくそな嘘の供述をしたというのには、ちょっとばかしじんとしてしまいました。
まだ貴志さんはほとんど読んだ事がないので、他の作品もいくつか読んでみたいと思います。
