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悪の教典 上

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とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか──ピカレスクの輝きを秘めた戦慄のサイコ・ホラー。2010年度「このミステリーがすごい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、第1回山田風太郎賞


貴志祐介さんの本です。

新世界より」の人、というくらいの名前だけは知っていた作家さんでしたが、今回初めて読みました。
こちらも上司に貸していただいたのですが、なかなか黒そうな内容だと聞き、どれどれと試してみたのです。

厚さ3センチはあろうかと思われる分厚さ、上下巻ではありますが、意外とすらすら読めました。

人が不幸に陥る話はよくあって、それを読むのもなかなか辛かったりしますが、今回は不幸に「陥れる」話でした。
これがなんとも胸糞悪い…
胸糞悪いという言葉が一番しっくりくるんですよね。

とにかく、登場人物の生徒が生意気、先生がとんでもない奴ばかりでその時点でも嫌な気分なんですが…
(生徒と保健室で関係を持っている保険の先生とか、暴力を笠に着て威張っている先生、生き物の死体に興味を持つ気持ち悪い先生とか、生徒の弱みを握って平気でセクハラする先生とか・・・というか、まともな先生がほぼいないこの学校って・・・)
そして何より主人公の隠された素顔…とにかくやっていることがあくどい。というか、卑劣・・・。
外面が良いので、表面的には先生や生徒からも人望が厚い人気教師という側面しか見えてこない前半から、少しずつ明らかになっていく裏の顔が・・・・絶句するしかないくらい、黒過ぎます。

下巻、主人公をぎゃふんと言わせてほしいです。
これだけ悪を積み重ねてきた人間が、全て自分の思う通りに行くなんて思わないでほしいですよね。
 
個人的に、主人公の裏の顔に少しばかり気付き始めている生徒がきっと最終的に反撃に成功するのではないか?と予想しているのですが・・・
どうなることやら。