No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

21 twenty one (文庫版)

イメージ 1
 
二十一世紀に二十一歳になる二十一人。中学入学の日、クラス担任の先生が発見したその偶然が、僕たちに強烈な連帯感をもたらした。だが卒業して十年後、その仲間の一人が自殺した。僕たちに何も告げず。特別な絆で結ばれていると信じていた人を突然喪った時、胸に込み上げる思いをどうすればいいんだろう。“生きていく意味”を問いかける感動作。


小路幸也さんの本です。
 
私の小路作品の中でも「東京バンドワゴン」に次いでお気に入りの一冊です。
多分、小路作品を知ったきっかけはこの作品だった気がするんですが、とても読みやすくて、大好きな青春ミステリ系の話だし、21世紀に21歳になる21人の同級生の話、とミステリアスな設定に心惹かれたのであります。
 
読み終わった後に物凄く「面白かった!」という気持ちと、「もう一度読みたい!」という強い気持ちが湧きあがりました。
絶対、文庫化したら買おうって決めていて。
珍しく新品で(クオカードでですが)購入した作品です。
 
以前読んだのはいつだったか、と思ったら、本当にこの主人公達と同じく24歳~25歳の頃なのね。
それでいて、再読した今は私、27歳。
エピローグの彼らも、同じく27歳。
完全にこの物語と一致してるんです。世代が一緒なんですね。
 
だからこそ、かな。惹きこまれてしまうんでしょうか。
「中学生」の同級生って、確かに特別だと思います。
 
少し大人になって高校生になると、本当に自分と合う人と付き合うようになりません?
中学の時って、もっと気が合わない人とも友達だった気がするんですよ。
今となっては「何であの子と仲が良かったんだろう?」と疑問に思うくらい趣味や性格が合わない子が友達だったりして。
 
そして、何ででしょうね?
「クラスメイト」と言われると思いだすのは、不思議なもので中学の時の同級生なんです。
そう考えたら不思議。
この物語の登場人物達のように、21という数字で繋がった特別な関係という訳でもないのに、あの頃って凄く特別だった気がしてくるのです。
 
 
久方ぶりに読んだせいか、オチを完全に忘れていたのも良かったのでしょう。
素直に楽しむ事ができました。
「21」という特別な関係に縛られているからこそ起きてしまった悲劇、なのかもしれないけれど、決して失った人間に対して気持ちをずるずる引きずったり、後ろ向きになっていない所がとても良いです。
 
誰かを失っても、こうして前向きに生きる事。
それが、残された者にとって本当に必要なことなのかもしれません。
 
単行本版の感想↓(2008/7/14)当時の私は24歳かな。