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英雄の書(下)

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<英雄>は兄・大樹を「器」として、刻々と力を取り戻しつつある。
“狼”と呼ばれる者たちとともに、<英雄>の追跡を続ける友理子。
なぜ兄は<英雄>に囚われてしまったのか。<英雄>が解き放たれると、何が起こるのか? 憎悪と恐怖の支配する世界で、友理子はおどろくべき真実を知る。物語はいま――圧巻の最終章へ!


宮部みゆきさんの本です。
 
あれ?あれ?あれ・・・?
 
上巻のラストからようやく面白くなってきたように思えた作品だったのですが、下巻は全くもって話を理解できないまま終わってしまいました。
 
私は現実の中に潜む虚構(非現実的)の話はかなり好きなんですよね。
 
例えば宮部さんの他作品だとすれば、「クロスファイア」とかもそうですし。
三崎亜記さんとか、万城目学さんとか。
普通の日常の中に入り込むありえない世界、みたいなのは全然OKなんです。
 
ただ、前々から感じていたのですが、私はSF展開はあまり得意ではないんだなあと。
なんというか、ファンタジーが苦手みたいで。
 
そんな状況ですから、この話にはなかなか入っていけなかったわけです。
それでも上巻には現実世界の話もはいっていたから、何とか読む事ができていた・・・しかし下巻にはほぼ現実世界は出てこず、読者を置いてけぼりにしてしまうような、難しい用語・世界観がつらつらと続いていき、ページをめくる手が進まなくて大変でした。
 
宮部さん、私の中ではほとんど外れがない作家さんという位置づけですが・・・この作品はお薦めしません。
私にはちょっと難しい話だったかなあ。
 
それと、曲がりなりにも同級生を刺して(一人は死んでいる)いる兄に対する、世間の冷たさが全然描かれていなくて不自然でした。
確かに理由があったにしても・・・うーん、あまり楽しめなくて残念でした。