森崎友理子は小学五年生。ある日、中学二年生の兄・大樹がクラスメートを殺傷し、姿を消すという衝撃的な事件が起きた。事件から十日ほど経った時、友理子は兄の部屋で不思議な声を聞く。
「君のお兄さんは“英雄”に魅入られてしまったのだ」
本棚の奥の見慣れぬ書物が、友理子にささやいているのだった。
書物に導かれ、兄を救い出す旅へ出る友理子。すべての物語が生まれ、回帰してゆく<無名の地>と呼ばれる場所で、友理子は、世界の根源というべき、おそるべき光景を目にする――
森崎友理子は小学五年生。ある日、中学二年生の兄・大樹がクラスメートを殺傷し、姿を消すという衝撃的な事件が起きた。事件から十日ほど経った時、友理子は兄の部屋で不思議な声を聞く。
「君のお兄さんは“英雄”に魅入られてしまったのだ」
本棚の奥の見慣れぬ書物が、友理子にささやいているのだった。
書物に導かれ、兄を救い出す旅へ出る友理子。すべての物語が生まれ、回帰してゆく<無名の地>と呼ばれる場所で、友理子は、世界の根源というべき、おそるべき光景を目にする――