娘で猟師の浜路は江戸に跋扈する人と犬の子孫「伏」を狩りに兄の元へやってきた。里見の家に端を発した長きに亘る因果の輪が今開く。
桜庭一樹さんの本です。
わたくし、
里見八犬伝の知識がほぼありません。
辻村深月さんの「子どもたちは夜と遊ぶ」の中で出てくる、謎掛けで少し知ったくらいで。
故に、初心者の私みたいな人にでも分かりやすく、楽しんで読むことができました。
「荒野」とか「
赤朽葉家の伝説」あたりの、独特の桜庭語(?)で展開される物語は、不思議と読みにくさを感じません。
犬と人間の間から生まれた『伏』とそれを刈る人間のドタバタ劇、その合間に伏が生まれた悲劇の昔話が入り、時にコミカルに、切なく、物語の世界に入り込んでしまいました。
機会があったら、本場の
八犬伝も読んでみたいと思いました。
桜庭さん、やはり上手いです!