No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

赤いべべ着せよ…

イメージ 1
 
鬼に我が子を食い殺された女。腹を裂かれ、血まみれの我が子は、まるで赤い着物を着ているようだ。女はやがて鬼になり人の子を…。そんな鬼女伝説が残る町に娘を連れて20年ぶりに帰郷した千鶴は、幼なじみのひとりの幼い娘が扼殺され、古井戸に投げ込まれたことを知る。それは、同じ場所で20年前に起きた幼女扼殺事件と状況がそっくりだった。やがて、他の幼なじみの子供たちも次々と殺されていく。鬼は誰か。“ことろ”の童謡が恐怖を呼ぶ、戦慄の長編ホラー。


今邑彩さんの本です。

これは、ホラーの分類でしょうか。
大変読みやすかったですが、オチが一読しただけでは分からず、エピローグを何回も読み直してしまいました。

私は「子とり鬼」の童唄を知らないのですが、かごめかごめをはじめ、童歌というのは謎めいていて改めて聞くと恐く感じたりしますよね。
この話も童唄が軸になっていて、人間が犯しているに違いない事件なのに、神隠しであるとか鬼女の伝説が本当にあるんじゃないかと思えて怖かったです。

事件の犯人は中盤で悟りましたが、エピローグで明かされる真犯人にはびっくり。
今邑さんらしい結末にニヤリとしてしまいました。
 
ただ、ホラー色は中盤まで強かったんですが、後半~ラストにかけてはホラーという感じではなく、ひどく現実的な感じもしました。
装丁やタイトルは怖そうですが、案外あっさり読めてしまいますよ。