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せきれい荘のタマル

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静岡から東京の大学に進学した石黒寿史は、同郷である法村珠美(のりたま)への恋心から、同じ映画研究部に入部する。しかし寿史は、やたら面倒見のいい、同サークルの先輩・田丸大介(タマル)につきまとわれ、早朝マラソンに付き合わされそうになったり、あきらかに怪しいサークルのBBQに参加させられたりと、振り回されっぱなしの日々。あげく、タマルまでがのりたまに恋心を抱き、猛攻撃を始めて―。


越谷オサムさんの本です。
 
「金曜のバカ」「ボーナス・トラック」「陽だまりの彼女」で越谷さんの作品のファンになった私は、こちらの作品を書店で見かけて読んでみたいなと気になっておりました。
 
が・・・・可もなく不可もなく、だったなあ。。
期待し過ぎたようで、あまり楽しめなかったです。
 
タイトルにもあるように、「せきれい荘」に住む「タマル」という面倒見の良さが逆に迷惑になるくらいの奇人の隣に住む事になった寿史。
あろうことか、タマルは高校時代から恋していたのりたまを好きになり、毎日のように贈り物やポスト―カードを送りつけるなど、寿史の先を行っていた。
最初は迷惑がっていたのりたまだったのだが――
 
ということで、まあ本作は、主人公と先輩と同級生の爽やかな三角関係と、映画研究部のサークルを軸に展開していきます。
 
どうも残念だったのが、タマルのこの突飛なキャラクターを活かしきれていなかったこと。
恋愛ものなのか青春ものなのか、そこに怪しげな宗教団体に巻き込まれる事件が絡んでくるものだから、非常に散漫な印象を受けました。
読者だけ置いてけぼりにされた感。
 
デビュー作が個人的にとても面白かったし、他の作品も不思議と余韻の残るピリッと利かせた物語性を持っている作家さんだと思うので、今回は偶々自分に沿わなかったのだと思うことにします。
 
そして、初版だからという理由にはならないと思うのですが、誤字が2つくらいあったのを見つけてしまいました。
うーん。