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箱庭図書館

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少年が小説家になった理由。コンビニ強盗との奇妙な共同作業。ふたりぼっちの文芸部員の青くてイタいやりとり。謎の鍵にあう鍵穴をさがす冒険。ふと迷いこんだ子どもたちだけの夜の王国。雪の上の靴跡からはじまる不思議な出会い。集英社WEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた6つの物語。


乙一さんの待望の最新刊です。

小説家のつくり方
コンビニ日和!
青春絶縁体
ワンダーランド
王国の旗
ホワイト・ステップ

の六篇を収録。
本作は、読者から集めたボツ原稿を乙一さんがリメイクするという企画で作られた作品だそうです。

本好き過ぎて、何事も読書を優先する変わった女性・潮音が各ストーリーの中に登場します。

ボツ原稿だったはずのものが、乙一さんの手にかかれば、ミステリやちょっと不思議な話、温かい話に変わってしまうのが凄いです。

個人的には「ホワイト・ステップ」がよかったです。
乙一さんの「しあわせは子猫のかたち」に通じるものがあるかなあと。


あとがきには、各作品の原作に対する乙一さんなりの書評と、物語ができた経緯が描かれます。
その中で気になる記述が。
『自分は別名義でラブコメの小説を書いているんですが…』

これは、やはり●田永一さんの事でしょうか(笑)

全体の雰囲気としては、●田さんの作風に近い印象がありましたので。

ともあれ、久々の乙一さんの作品、楽しく読みました。