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武士道セブンティーン(文庫版)

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早苗は成績重視・結果主義の剣道強豪高へ、香織は個人主義から部に忠義を尽くし始める。ふたりの武士道の時代(研究中)が幕を開けた―。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち二本目。


誉田哲也さんの「武士道」シリーズ第二弾。
 
単行本ですっかりはまった本シリーズ。文庫が出たら絶対買おうと思って、こちらもオークションで落札していたのですが、なかなか読む機会がなくて遅くなってしまいました。
 
一読しているのですが、もう最高ですっ!
冒頭から結末まで、一気に読ませてくれる。
ハラハラして、ドキドキして、そして時々目頭が熱くなって、青春を懐かしくうらやましく思える、そんな素敵な話。
 
誉田さんの「初めて登場人物が一人も死なない小説」として話題になっていたシリーズ。
誉田さんといえば、手堅い警察小説モノを得意とする反面、若者を主人公に据えた青春小説も手掛ける方です。
 
どちらかというと、その青春小説の若者達に全く共感ができず、あまり好きになれなかったのですが、このシリーズだけは別。
 
香織と早苗という真逆の性格の個性派二人の掛け合い、キャラクターが際立ち、青春小説として、友情モノとして、部活ものとして。
どの観点から見ても完璧な作品だと思います。
 
セブンティーンは、主に九州の高校に転入することになり、自分が目指す剣道とは何なのか?と壁にぶち当たって悩みまくる早苗に焦点を合わせているのですが、反面シックスティーンで鬼の面層ばかり見せていてとっつきにくかった香織が、物凄く良い奴にしか見えないのです(笑)
というか、元々真っすぐに突き進むタイプだからこそ、不器用だけど根はめちゃくちゃ良い子なんですよね。
 
早苗と離れ離れになり、連絡を取る事にも躊躇して、久々の再会ではドギマギする香りがとても可愛いんですよね。
 
冒頭からラストまで、すらすら読めていつの間にか終わってしまったような、とても読みやすい小説。
中身がないとかいう訳では全くなく、気付いたら香織と早苗の心情に近づいて一喜一憂していたりするんです。
 
あー私の言葉では全く良さが伝えられなくてもどかしいですが。
何も言わずにぜひ読んで!と言いたい。
そんな大好きなシリーズなのであります。
 
ちなみに、単行本版の感想はコチラ↓