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風にもまけず粗茶一服

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小次郎だって武蔵だって、きっとこんなところで人知れず修練したにちがいない。男には、そんな孤独な時間が必要なんだよな。ああ、なんか、今、俺、カッコイイかも。(本文より)ようやく茶の湯に目覚めた友衛遊馬(19歳)が目指したのは、なぜか比叡山延暦寺の一山〈天鏡院〉。お茶嫌いの住職がいるとも知らず、武家道家元後嗣の遊馬はその門をくぐるが…。青年茶人が茶の湯に挑む大傑作青春エンターテインメント。


松村栄子さんの本です。
 
地震発生した日に読んだ前作「雨にもまけず~」がなかなか面白かったので、腰を落ち着けて読んでみた続編。
いいです。
とても面白かった!
 
まず何といっても、私好みのこの主人公。
世渡り上手でゆる~い、お気楽な遊馬。
お茶の家元である家を飛び出し京都へと向かった前作。
ついに茶の湯に目覚めて門をくぐったのは、何故か比叡山
偏屈なくそじじいと、個性溢れるメンツが賑わせます。
 
山にこもって自給自足の生活をするようになったせいか、前作に比べて大分たくましくなった遊馬。
相変わらず弟君に比べるとゆるい生活をしているのに、言いたい事を物おじせず言えたり、考えさせられる一言を聞かせてくれたり、何だかとてもうらやましいくらいに清々しい人物です。
 
まあ実際こういう人がいたら好きになったりはしないでしょうが(毎日遊馬に対して怒ってしまうと思う・(笑))。
 
お茶の世界や武道に詳しくなくても、丁寧に解説がされつつ、何よりとてもリラックスして読めるので敷居は高くありません。
いかんせんボリュームがあってぎっしりの文章なので読むペースは遅くなりますが、面白いのでそれも許せてしまう。
 
続編がありそうな中途半端な終わり方です。
ぜひ次作にも期待。
 
遊馬を追いかけてきた佐保がまた、たくましいというか、したたかな女子!という感じで勇ましくて好きです(カンナも好き)。
続きが気になります!