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アンダスタンド・メイビー ㊤

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「おまえは俺のこと、見つけられるって」少女は踏み込んだ、愛と破壊の世界へ。デビュー10周年記念書き下ろし作品。


島本理生さんの10周年記念書き下ろし作品ということで。
島本さんを初めて知ったのは、「リトル・バイ・リトル」だったかと思いますが、そういえば当時私は高校生だったのですね。
10年。
凄い。今も変わらず好きな作家でいることも、嬉しく思います。
 
しかしそれにしても・・・島本さんは何故最近の作品がいつもこういう展開ばっかりなんだろうか。。
なんだろ、性的な対象にされてしまう女の子が主人公で、周りの男がDVだの性的強要だの、とにかくろくでもないやつばっかり。
今回の第一章の最初までは凄く良かったのに(「クローバー」の雰囲気で)、やっぱりそういう展開になったことが「またか」とガッカリさせられてしまう。
 
島本さん、エッセイもあんなに味があって面白いので、飾らない地の文で書いた(この作品だと第一章の彌生君との出会いやかけあいは最高に良かったのだけどね!)文章でも十分いけると思うんだけどなあ。
 
写真家の師匠と、彌生君だけは裏切らないで欲しいと切実に思う。
師匠を100%信頼していいのか分からない、この複雑な上巻の終わり・・・
 
悪くないんだけどなー。
私生活で旦那から良からぬ扱いを受けているのでは?とつい心配になってしまうのですよ、島本さん(苦笑)。
 
にしても、ろくでもなかったですねあの男(ネタバレになるので言いませんが)。
 
黒江の母が微妙に娘と距離を置いているのは何かあるのだろうか。
黒江の過去を含め、不穏な要素が散りばめられていて、この物語が果たしてハッピーエンドで終わるのかと不安になる私でした。
 
島本さんの文章、大好きですし、好きなんですよ。
でもここ最近は本当に男性の暴力が絶対入ってくるからね・・・。
 
私、暴力描写と、性的暴力描写が大嫌いというか凄く苦手で。
ぐっちゃぐちゃの死体描写はさらっと読めるけど、リアルにありえる暴力は想像できちゃうから怖いんです。
 
下巻はまだ予約したばかりなのでいつになったら読めるのやら。
上巻の内容を忘れないうちに読めたらいいな。