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ガーランドのなみだ

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一三年間、生活を共にした盲導犬・ベルナの死と、最愛の夫の死。二つの大きな悲しみにうちひしがれる著者のもとに、二頭目盲導犬・ガーランドがやってきた。なかなかうちとけないガーランドに悩む著者は、やがて、ベルナと比べていた自分の気持ちにこそその原因があったことに気付く。甘えん坊でやんちゃなガーランドが本当の家族になった時、再び不幸が訪れる。多くの人が涙した感動の盲導犬物語『ベルナのしっぽ』の続編。


郡司ななえさんの本です。
ベルナのしっぽ」に続いて、三部作(らしい?)の二部。
 
13年間を共にした盲導犬のベルナの死の悲しみから立ち直れていない郡司親子。
新たなパートナーのガーランドを家族に迎え入れ、苦戦しながらも少しずつ家族になっていく姿を郡司さんの優しい文章で描かれています。
 
長年連れ添ったパートナーのベルナの面影は消えず、新しいパートナーとして迎えたガーランドを、どうしてもベルナと比べてしまう親子。
ガーランドは気位が高く、若い故に好奇心旺盛で、そのくせ敏感にベルナと比べられている事を感じ取る繊細な子でもあります。
 
郡司さんとしては決して比べているつもりはないのに、盲導犬としてベテランだったベルナと無意識のうちに比べてしまい、なかなか心を通わせることができなかったり。
何度注意してもなかなか覚えられないガーランドに「バカガア」と幹太君は出来の悪い妹に怒ってばかり。
 
それでも少しずつ家族として馴染んできた矢先――悲しい出来事が親子を迎えます。
 
これらの本を読んで初めて、盲導犬を連れた人自身も歩く道を事前に把握して、その人の指示で盲導犬を動かしている(主導権はあくまで人間側)のだということを知りました。
私はずっと盲導犬が人間を引いているのだと勘違いしていたのです。
 
そういった意味でも、偏見や間違った知識を正しいものにしてくれたり、目から鱗な事があったりと本当に読んでいてタメになります。
 
ベルナと比べると甘えん坊で甘やかされているガーランドは頼りなく映りましたが、それでも最後の悲しい出来事には切なさが・・・