No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

ベルナのしっぽ

イメージ 1
 
27歳で失明したななえさんは大の犬嫌いでしたが、子育てのため盲導犬とパートナーを組むことに。困難な日々を共に乗り越え家族の一員となっていたベルナともやがて別れの日が…。感動のラストに涙がとまりません。


郡司ななえさんの本です。
 
別段犬が好きな訳でもないし、感動なんてあまりしないし、「感動もの」と上司から貸してもらったものの、泣きはしないだろうなあと思っていたのですが・・・
 
実際泣きはしなかったのですが、何故か目頭が熱くなるっていうんですか?
この話が、この部分が、っていう訳ではないんですよ。
何だろう。
 
犬と人間の話ではないんです。
犬ではなくて、もうベルナは家族の一員なんだなっていう事が、郡司さんの優しい文章から伝わってくるのです。
 
 
今でこそ盲導犬や目の見えない人への偏見は大分少なくなってきたとは思いますが、この本の頃はまだまだ盲導犬の認知度が浅く、お店や乗り物には動物はダメと断られるなんてことが日常茶飯事だったようです。
また、酔っ払いがベルナに煙草を押し付けたり、考えられないいやがらせをする人だっていたようで。
 
犬と人間、から人間同士と同じくらいの対等な立場になっていく郡司さんとベルナの出会いから別れまでが丁寧に書かれています。
 
息子の幹太君ができた子で・・・両親共に目が見えなくて、盲導犬のベルナと3人と1匹の生活が幹太君をこんなにしっかりとした人間に作り上げたのかもしれませんね。
 
とても読みやすいので、盲導犬をよく知らない人にはぜひ読んで欲しい。
沢山の人に読んでもらいたい一冊です。