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眩暈

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切断した男女が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。『占星術殺人事件』を愛読する青年が書きのこした戦慄の日記がさし示すものは何か。醜悪な現実世界に奇想の作者が驚天動地のトリックの矢を放つ。ミステリの新たな飛翔を決定づけた傑作。


島田荘司さんの御手洗潔シリーズ。
 
ノベルス版で発表時、500枚越えの大作だったようです。
例にもれず、物凄い分厚いです。
 
そして今回は大変苦戦しました・・・。
ある少年の手記(字が大きく、ひらがなで展開)から始まる冒頭から、御手洗と教授の非常に難解なトークが繰り広げられ、そしてようやく石岡君が語りの本編へ辿り着くまでに相当時間がかかりました。
 
最初のひらがなの手記の字が大きいので、だんだん少年が成長するにあたって小さくなっていく字。そして本編の小さい字の連なりを見た瞬間、果たして読み終わるのだろうかと途方に暮れたものです。
 
しかも今回は御手洗が特に一人で悶絶し絶叫し、歩き回りながら真相を突き詰めていく独りよがり感が強く(普段もそうだけど、本作ほど読者を置いてけぼりにした作品があっただろうか・・・)、石岡君の影も薄く、何だか楽しめないまま終わりました。
 
そして今回冒頭の手記から御手洗が真相を明かした後に、再度同じ手記をラストに持ってくるという展開で、あれだけ冒頭読むのに苦労したのに、また同じ文章を読まねばならないのかー!と本気で諦めようかと思ったのですが、それでも謎が解けた後に読む手記は、気付かなかった部分を気付かせるには十分。
こんな小説の展開も、ありなんですね。
 
それにしても厄介だったのが、巻末の解説です。
本編であれだけ長く苦戦したのに、解説まで長い!
しかも本編から逸れまくって何が言いたいのか分からないし、申し訳ないが解説だけは飛ばし読みさせていただきました。
そもそも私、解説が結構苦手なんですよね・・・
 
という訳で、御手洗シリーズなのにも関わらずあまり楽しめなかった本作でした。
3日かかってようやく読了。
疲れました。。。