「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」突然の脅迫状に揺れる帝都大学病院。「隠された医療ミスなどない」と断言する心臓血管外科の権威・西園教授。しかし、研修医・氷室夕紀は、その言葉を鵜呑みにできなかった。西園が執刀した手術で帰らぬ人となった彼女の父は、意図的に死に至らしめられたのではという疑念を抱いていたからだ…。あの日、手術室で何があったのか?今日、何が起こるのか?大病院を前代未聞の危機が襲う。
東野圭吾さんの本です。
会社の人に借りた本。
東野さんの作品は、自分の中で合う合わないが結構はっきりしているので、毎回読む時は恐る恐る読んでいたりするのですが、今回は純粋に楽しめました。
やっぱり、ベストセラーになったり、ドラマ化されたりと人気も知名度が高い作家っていうのは、こういうことなんだと。
無理のないストーリー展開。
そのうえ、結末には感動すらしてしまう。
文句ないです。
面白かった！
こういう医者ばかりだったら良いのになあ。
どんな緊急事態でも、患者の命を助けるということに全力を注いでくれる、信頼のできる医師が、この世の中に一体どれだけいるのか。
研修医の氷室が、父の手術を担当した西園に対して抱く疑惑。
手術の失敗はほとんどなく、信頼されている医師。
何故父の時に限って手術が成功しなかったのか――
そこに偶然知ったある過去の事件が、西園に対する疑惑を強めて行くのだが――
氷室サイドと、今回の脅迫文を送った犯人サイドの視点で展開されていくのですが、後半この二つの話が繋がったと知った瞬間、「わー！」って感激してしまいました。
今回の犯人は、動機も納得できる事だし、真の悪人ではなく良心がある人物だったのにも救いがあったなあと。
病院を舞台にしたミステリ。
はっきり言って、「チームバチスタ」とかと比べたら、断然東野さんです。
やっぱり上手いし、凄いです、東野さん。
面白かったです！
