吹奏楽の“甲子園”普門館を目指すハルタとチカ。ついに吹奏楽コンクール地区大会が始まった。だが、二人の前に難題がふりかかる。会場で出会った稀少犬の持ち主をめぐる暗号、ハルタの新居候補のアパートにまつわる幽霊の謎、県大会で遭遇したライバル女子校の秘密、そして不思議なオルガンリサイタル…。容姿端麗、頭脳明晰のハルタと、天然少女チカが織りなす迷推理、そしてコンクールの行方は?『退出ゲーム』『初恋ソムリエ』に続く“ハルチカ”シリーズ第3弾。青春×本格ミステリの決定版。
初野晴さんの本です。
初野さんの「ハルチカ」シリーズ(←って言うんだ!(笑))の第三弾でございます。
でも、私はこっちのシリーズの方が面白いと思うし、好きです。
男の子なのに、女の子のチカが全て欲しいと思う顔のパーツを持った美少年のハルタとは幼馴染。
顧問の草壁先生に恋する二人(!)は、ライバルでもある。
吹奏楽部か、古典部か、っていう違いで、日常ミステリを題材としている点でとても似ているのですが、個人的にはこのチカちゃんのちょっととぼけた(本人は大真面目ですが)、憎めないキャラクターが好きなんですよね。
人間味があるというか(笑)
自分も馴染み深い吹奏楽部っていう点でも興味を持ち、ミステリに無理がない展開。
しかも、短編なんだけどじんわりと余韻を残してくれる深みのあるストーリーが好きです。
今回は「ヴァナキュラー・モダニズム」と「空想オルガン」が良かったです。
このシリーズ、まだ続きそうですね。
果たして、草壁先生を普門館の舞台に立たせることはできるのでしょうか?