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グラウンドの空

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夏の甲子園の圧倒的な空気に魅せられ、中学で本格的に野球を始めたキャッチャーの瑞希。しかし、地元の小さな中学校では先輩たちの卒業に伴いエースピッチャーがいなくなってしまう。このままでは、地区大会すら絶望だ。そこへ、幼なじみでチームメイトの良治が飛び込んでくる。「ピッチャー、見つけたぞ!」しかし透哉というその少年は、心に傷を負っていて―。


あさのあつこさんの本です。
 
「バッテリー」シリーズや、単発モノとして野球を題材とした作品を数多く送り出してきたあさのさん。
 
これもシリーズものになるのでしょうか?
続きが書けそうな感じなのでとても気になるところです。
 
バッテリーの原田巧は自分の野球に絶対的な自信とプライドを持っていた高慢な少年でしたが、今回のピッチャーは、女の子みたいな顔をした無口な男の子・透哉。
 
こういったタイプのピッチャーもなかなかいないのではないかと思います。
 
純真で無垢故に、他人から向けられた突然の悪意や嫉妬を受け止めきれなかった少年。
学校に通わなくなり、野球から遠ざかっていた日々――
 
統廃合の噂も現実的な、とある地方の中学校。
ピッチャー不在の野球部のキャッチャーとファーストの少年。
探していたキャッチャーに出会った彼らは――


キャッチャーの瑞樹の幼馴染の良治は、「バッテリー」の瑞垣みたいですね(結構好きなんですけど・笑)
瑞樹はなんとなく苦手なちょっと押せ押せタイプのキャラクターだけど、透哉と対峙する時のたじたじとした感じ、素直に言葉をぶつけようと必死になっているところは好感が持てました。
 
透哉のように、他人の気持ちに敏感な子って・・・今の時代はとても生きにくいでしょうね。
人との距離の取り方、何処まで踏み込んでいいのか、とか考えてしまって言葉が容易に出なくなる――そんな透哉の気持ちに、変に感情移入してしまいました。
 
続きが早く読みたいと思い、ドキドキした作品。
ぜひシリーズ化を希望します!
面白かったです。